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異世界入り物語としてのBP

異世界入り物語としてのBP

近年、現世日本からとある事故(トラックに轢かれた等)によって異世界入りした主人公が活躍する物語が
異世界転生モノとしてひとつのジャンルを確立していますが、東方鉄飛船BPにおける異世界入りはこれらの異世界入りとは大きく性質の異るものです。

第一の違いは、主人公たちは異世界へ目的を持って向かっていて、元の世界に帰るつもりがあることです。
基本的に、異世界入りを果たした主人公はその異世界に定着してしまうため、元の世界に対して何の作用もすることができなくなってしまいます。
異世界と現世日本が相互に作用しあうGATE~彼の地にて、斯く戦えり~は例外的な存在で、主人公は異世界の住民を引き連れて相互の世界を行ったり来たりします。
東方鉄飛船BPにおいては、モッコリランド入りしたレミリアたちはフランドールを幻想郷に連れて帰ることを主目的として動きます。
ただし、物語が進むにつれて、力の序列が固定化されつつある幻想郷では到底できないような事をやってのけようと考えるようになるのですが、それは物語の中で明かしてゆこうと思います。

第二に、現世日本では何の変哲もない凡人だった人物が異世界入りすることによって戦闘能力が強大化することが通例であるのに対して、レミリアたちは異世界転移による召喚酔いのせいで戦闘力が弱体化します。
体験版冒頭で語っているように、さすがに十六夜咲夜が(スペルカード抜きでも)そのへんのモブ農民に負けるようなことはありませんが、冒険者やプロフェッショナルの傭兵助けなしでは冬季のパンケ山を越える事はできません。
第二章以降においても、レミリアは種族そのものの戦闘力、パチュリーは召喚酔いに影響されない小悪魔の助け、紅美鈴は格闘能力によって召喚酔いの影響をいくらか抑えてゆくことができますが、なんのコネクションもないモッコリランドにおいては戦闘よりもむしろ生活に四苦八苦します。

第三に、異世界入りの先の世界は現実世界と何のつながりもないファンタジー世界であるのに対して、BPにおける「異世界」は異様なまでに北海道に地理や街の配置が酷似した「モッコリランド」という世界であり、北海道観光に来た人でさえまず訪れようとも考えないようなエリアにまでスポットライトを当ててストーリーは展開してゆきます。
黒い恋人、サッポロッペクラシック、まりもっこりなどといったご当地ネタを盛り込む一方で、札幌には水のクリスタルを利用した水洗トイレのインフラが全戸に配備されているがそれ以外の地域ではボットン便所が主流だったり名寄市で口蹄疫が発生して道路が封鎖されたり帯広と釧路が年がら年中戦争していたりと、こういったありえない虚構が盛り込まれているのもファンタジーならではのものだと思います。
モッコリランドの政治事情の設定は、夕張市が財政破綻している事以外は虚構なので真に受けてはいけません。


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