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東方鉄飛船FF設定資料:幻想郷の歴史

東方鉄飛船FF設定資料:幻想郷の歴史

去年年始に書いた東方鉄飛船FFの設定資料を公開します。
なお、原作設定と大きく異る部分もあります。


■混沌の時代
10世紀ごろの幻想郷は東洋・西洋の妖怪が入り乱れる混沌とした無秩序な世界であり、そこでは人類の影響力はまったくの皆無であった。
妖怪たちは狭い土地に押し込められ、いついかなる時も、あらゆる場所において食料や水をめぐる紛争の火種が燻っていた。
すれ違いざまに肩がぶつかった、または一握りの雑穀を盗んだという些細なトラブルが部族間の際限なき殺し合いに発展する事さえあった。
ところが、10世紀半ばごろになると無秩序に流血を繰り返す妖怪たちを平定し、幻想郷に秩序をもたらそうとする部族が台頭した。
それは八雲紫率いる八雲家であった。
八雲家は瞬く間に勢力を広め、幻想郷を手中に収めるかと思われたが、八雲家による幻想郷支配を拒絶する妖怪が連合を形成し、
幻想郷は八雲家・反八雲家(妖怪連合)の二勢力が並立する世界へと変貌していった。

■無名の丘の戦い
八雲軍と妖怪連合は幾度にも渡り小競り合いを繰り返し、紛争の長期化を嫌った八雲紫は妖怪連合の首領を捕縛すべく
数十万の妖怪からなる大軍団を結成し、妖怪連合の要塞(現:無縁塚)へと進軍を開始した。
これに対抗し、妖怪連合は八雲軍を上回る兵力を結集して八雲軍の進軍を阻止しようと試み、ここに無縁塚の戦いが発生した。

■戦いの経過
自軍の兵力が妖怪連合のものよりも遥かに小規模である事から、八雲紫は軍師らから時期早急であるから作戦を取り下げるよう進言されていたが紫には「腹案」があった。
妖怪連合の有力者たちは反八雲のために表面上団結してはいるが、その信頼関係は非常に脆弱であることを八雲紫は見抜いていたのだ。
八雲紫は妖怪連合の有力者たちを計略によって懐柔し、または相互にいがみ合うように仕向けて次第に連合の戦力を無力化していった。
妖怪連合の首領であった(ルーミア)は離反した部下たちによって捕縛され、呪いによって能力と記憶を奪われ、その体は幼体から成長せぬようにされた。
残る妖怪連合の武将たちは八雲家に服従を誓うものは赦されたが、なおも抗おうとする者は全員が処刑された。
無縁塚の基礎となったのは、この時殺害された武将たちの遺灰である。

■紅魔館の成り立ち
吸血鬼たちの首領であるスカーレット伯爵(レミリアの父)はこの戦争に対して中立を保とうとしていたが、
当時吸血鬼たちは幻想郷に安住の地を持っておらず、八雲紫から領地の譲与を約束されたため、八雲軍へ協力する事を決意した。
当時の八雲紫は外来の妖怪を忌み嫌っており、外来の妖怪を妖怪連合の防備の堅牢なところに宛てがうことによって摩耗させたいと考えていた。
ところが、八雲紫の狙いに反してスカーレット伯爵率いる吸血鬼軍団は妖怪連合の武将を次々と討ち取り、
スカーレット伯爵は当初の約束どおり霧の湖に囲まれた土地(現在紅魔館が建っている場所)の権利を手にした。

■スペルカードルールの制定
八雲紫は妖怪連合を下して幻想郷を掌握したものの、妖怪同士の無秩序な殺し合いは決して収まる事はなかった。
八雲紫は在来種の妖怪が殺しあって衰退することによって外来の妖怪が勢力を伸ばすことを危惧しており、早急に対策を打たねばならなくなった。
そこで、八雲紫は「スペルカードルール」によって部族間の紛争解決には殺傷行為を伴わない「弾幕ごっこ」という競技にて解決すべしと定めた。
スペルカードルールが制定されたのちもしばらく散発的に武力紛争が起こり、紛争の当事者たちは八雲紫によって裁判にかけられたのち、有罪と判決された者はスキマへと送られた。

■妖怪の人口の爆発的増加(11世紀)
スペルカードルールの制定は妖怪同士の殺し合いを抑制することに成功したが妖怪の人口はその後爆発的に増加し続け、
幻想郷は土地と食料の不足が10世紀前半よりも深刻になるという危機的な状況に陥った。
八雲紫は月の都の帝に対して土地の割譲を求める書簡を送ったが、帝は八雲紫が妖怪の移民を送り込んで月面を侵略しようとしていると判断したため、書簡に対して返答をする事はなかった。
当時の月の都の国防大臣は紫の要求を断固拒否し、もし月面への侵略行為を働くならば討伐すると返答すべきだと帝に上申したが、
幻想郷との戦争を恐れた帝によって更迭され、国防大臣は抗議のために割腹自殺を遂げた。

■月面戦役
書簡に対する返答は数ヶ月にわたって待っても来ず、業を煮やした八雲紫は百万からなる妖怪の大軍団を組織し、
霧の湖に映った月から境界の能力を使い、月の都へと進軍を開始した。
皇帝は紫が月面に攻め込んでくるはずなどないと思い込んでいたため軍に動員命令を出しておらず、動員が遅れたことによって
幻想郷軍は数々の要塞や都市を電撃的に占領する事に成功した。
月面軍は地球を遥かに上回る軍事テクノロジーを持っていたが、戦争への準備不足や上層部の見当違いな指揮によって緒戦において大きな犠牲を出すことになった。
月面戦役における幻想郷軍の残虐行為は凄惨を極めたものであった。
スペルカードルールによって暴力を抑圧されてきた妖怪たちは日頃の鬱憤を晴らさんとばかりに凶暴性を発揮し、玉兎や月人を捕らえると拷問、殺戮、または捕食し幻想郷軍のゆくところは全てが血塗られた廃墟と化した。

■月面軍の敗走
月面軍は幻想郷軍に一切の住居と食料を獲得させまいと、家屋を破壊して放火し、田畑にペスト菌を散布し、退去命令に従わない住民は容赦なく銃殺した。
この事は都の上流階級であった月人たちが帝に対する不信感を抱き、のちに被差別階級である玉兎たちが起こしたストライキに同情的になるきっかけとなった。
幻想郷軍は朱雀要塞、玄武要塞、白虎要塞といった都の中枢を守る主要な要塞を次々と陥落させ、もはや悠々と都に入城するかと思われたが、
食料の不足と疫病により幻想郷軍は当初の勢いを失い、籠城した月面軍を打ち破ることができずに士気も統率も崩壊し、間もなく月面軍の反撃によって追い散らされる事になった。

■玉兎のストライキ
幻想郷軍を追い払った事により月面に平穏が訪れたが、帝は破壊された要塞の修復を急ぐため大規模な土木工事の計画を打ち出した。
しかしながら、戦争で心身ともに摩耗しきっており、また月人の士官による稚拙な指揮で多くの戦友を失った玉兎たちは抗命して玉兎の待遇改善を求めるストライキを起こした。
ストライキの結果、玉兎にも士官になるための道が開かれ、給与や住居面における待遇改善が約束され、工事は予定通り進むことになった。

■鈴仙・優曇華院・イナバ亡命
月面戦役の記憶は、寿命の長く世代交代の遅い月人にとって鮮明でかつ忌まわしい記憶であり、現代においても幻想郷と八雲紫の名が嫌悪される原因となっている。
一方で、玉兎は月人ほど寿命が長くないため世代交代も早く、玉兎たちにとっては月面戦役の事は完全に昔の話であった。
鈴仙・優曇華院・イナバ伍長は綿月依姫率いる親衛隊に勤務する下士官であり、部下の面倒見がよく体力試験や射撃試験においても優秀な成績を修めたため綿月依姫によって絶対的な信頼を得ていたが、
うどんげ伍長はある日綿月依姫の書斎にあった月面戦役の記録を読んでしまった事により、月面軍への失望と自身の職務へのプライドの崩壊により、精神を病んでしまう。
アポロ11号月面着陸の日、うどんげは月面戦役の再来を恐れ、地球への亡命を決意する。
綿月依姫はうどんげがいつか帰ってくることを願い、うどんげ脱走の事件を自己の職権によってもみ消し、その後もうどんげが親衛隊で勤務しているかのように偽装した。

■妖怪の山の紛争
八雲紫がスペルカードルールを制定したのちも、いっこうに紛争の収まらない地域があった。それは妖怪の山であった。
河童と天狗の間で川の上流をめぐる紛争が続いており、八雲紫による紛争煽動者の処刑が何度行われても決して止むことはなかった。
そこで、八雲紫は河童の有力者に月面の土地を与える代わりに川の上流の権利を手放させるという事で合意を得たが、肝心の月面戦役では敗戦してしまったため、
八雲紫は約束の土地を河童に与えることができず、その後金銭による補償が行われたが河童の怨恨が晴らされることはなかった。

■八雲家の復権
先の月面戦役の失敗で権威を喪失していた八雲紫は妖怪頭領の座を返上し、妖怪の山で隠居生活を送っていたが、
妖怪の山で河童と天狗の過去最大級の戦争が勃発し、やがて戦闘が幻想郷全土へと飛び火すると妖怪たちの間で八雲紫復権を望む声が挙がり、八雲紫は山で出会った妖怪狐である八雲藍を従えて「謀反者」の討伐に乗り出す事になる。

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